カエル類の生態研究

本研究室ではトウキョウダルマガエル(Pelophilax porosus porosus)を対象に,その周年に亘る生活史を解明しています.

夏場の繁殖期に,本種は水田水域を中心に繁殖活動を行います.個体の一匹一匹の移動を追跡するため,PITタグを体内部に挿入し,捕まえては場所を記録し,また放逐する,ということを繰り返します.

その結果,夏場に本種は30a規模の水田を1~3枚ほど利用しつつ,水のある場所を求めて移動することが分かってきました.7月以降に中干しが始まると,水田の中でも水が残っている圃場へ移動するので,この間に移動経路が確保されていることが重要です.現在主流となっている三面張りコンクリート水路などが水田間に張り巡らされていることで,移動を阻害し,繁殖活動に何らかの支障をきたしている可能性があります.

夏場に挿入したPITタグは,非接触ICタグであるため,土中に越冬する本種を地表上から探知可能です.本種が冬眠する冬場の調査は主に,地表上からタグを探知し,その場を慎重に掘削し,冬眠中の本種を見つけ出します.

これまでの研究で,対象地では,本種は水田よりも隣接する畑地で越冬する個体が多くいたことが判明しました.しかも,深さはおよそ20cmほどまで掘り進んでいました.これは先行研究の予測を大きく上回る深さです.

では,圃場整備されているような均質な水田水域ではどうでしょうか?本種は水田内でも越冬していました.また驚くことに,人間でも掘るのに苦労するような固い耕盤を突き進んで,深さ約20cmのところまで到達していたのです.

PITタグという手法を用いたことで,従来では考えられなかった新しい知見が次々と発見されています.

 

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